膨大な過去の営みを見て得られるものは記憶ではなく、あるいは懐かしさでもない。
日常で見慣れた形や模様もまた、それが鮮明な記憶になることは難しい。
記憶も懐かしさもない営みの痕跡や伝統や習慣がどうしてこれほど愛おしいのか。
この作品は、作者自身がイギリスの小さな町で過ごした時間と、そこで繰り返される経験や日常の痕跡を構成したものである。